二人暮らしだからこそできる住まいのつくり方
二人暮らしだからこそできる
住まいのつくり方
弊社では、大人二人の生活を楽しみたい方からのご相談も多くいただきます。今回は、これまで手がけてきた事例を振り返りながら、二人暮らしのリノベーションならではの考え方を、いくつかご紹介したいと思います。
一人になれる、小さな居場所をつくる
お二人に「どのような住まいをつくりたいか」と、ヒアリングをすると、それぞれが「自分だけの居場所」を持ちたいと感じている方が多いように思います。
完全な個室である必要はありません。東京近郊の手狭になりがちな空間では、それぞれの個室を持つのは難しいということもあります。そのため、玄関を入ってすぐのソファで旦那さんがペットとくつろぎ、奥さんはリビングの隅で読書をする——そんなふうに、同じ空間の中で、ゆるやかに居場所を分け合う設計をすることがあります。
書斎ブースのような小さな一角をつくったり、照明を切り替えることで同じ空間の使い方をゾーニングしたりと、方法はさまざまです。お子さんがいらっしゃると、子育てのための空間が優先されがちですが、お二人だけの暮らしでは、趣味の部屋や自分だけのコーナーに、思い切ってスペースとお金を投じられるのも特徴です。

抜けのあるワンフロアのLDKは、ベッドとリビングを照明で緩やかに区切り、それぞれの行動を邪魔しない設計にした


元々2DKで、それぞれ個室を持てる空間だった住まいを、抜け感のある1LDKにリノベーション。リビングとダイニングはフローリングを変えてゾーニングし、リビングの奥のアトリエ(書斎)は、アールの壁の上にカーテンレールをつけ、カーテンで仕切れるようになっている
趣味に集中した贅沢な空間づくりができる
二人暮らしのお客様の打ち合わせは、私たちにとってもとても楽しい時間です。子育てのための「利便性の高い暮らし」を考えるのも楽しいですが、お二人がお互いを思い合いながら、それぞれの好きなことのために住まいをつくろうとするエネルギーを強く感じるのは、“大人のお二人様”ならでは。
洗面台のようなちょっとした場所にこだわってみたり、ごろんと寝転べる小上がりをつくってみたり。エネルギーと予算を、住まいそのものの贅沢に向けられるのも、大人ならではの楽しみ方だと思います。
大きな本棚をつくって好きな漫画をずらりと並べたり、アナログカメラやアウトドアグッズをディスプレイのように飾ったり。趣味が深ければ深いほど、住まいへの思い入れも強くなっていくように感じます。


奥様の趣味の漫画はリビングの本棚に、旦那様の趣味のアウトドアグッズや洋服は土間のワークスペースに集約
ただ、あれもこれもと詰め込みすぎると空間がまとまりを失ってしまうこともあるので、私たちはそのお気持ちを受け止めつつ、ごちゃつかないよう整理するお手伝いをしています。
ペットと暮らすなら、安全性と清潔感を考慮
二人暮らしのお客様は、犬や猫などペットと暮らしていらっしゃる方も少なくありません。ペットとの暮らしでは、性格や体格によって気をつけるポイントが変わってくるので、まずは普段の様子をじっくり伺うようにしています。
そのうえで欠かせないのが、脱走を防ぐための工夫と、汚れに強い素材選びです。床は、天然の風合いを残しながらも水拭きができるフローリングを選んだり、壁には消臭効果が期待できる漆喰を使ったりすることで、気持ちのいい時間を過ごしていただけるように考えています。


猫脱走防止用に、玄関前にガラス扉を設置。リビングのドアは、猫専用の通り抜け小窓があるドアに。フローリングは掃除しやすいようにウレタン塗装にし、壁は漆喰を選んだ

猫と犬がいるこちらの家でも玄関前に脱走防止の扉を設置し、漆喰壁を選んだ
二人暮らしのリノベーションは、「暮らしやすさ」と同じくらい、「好きなものと丁寧に付き合える住まい」をどうつくるかがテーマになります。お二人の暮らし方やお好きなことをじっくり伺いながら、心から豊かになれる居場所を一緒に見つけていけたらと思っています。