私たちがどのように「設計をして、デザインを組んでいる」のか

私たちがどのように
「設計をして、デザインを組んでいる」のか

私たちは、設計・施工を一貫で請け負う「住まいをデザインし、暮らしをつくる会社」です。単に空間を整えるだけでなく、「どんな暮らしをしたいのか」「どんな時間を過ごしたいのか」までを設計に落とし込みます。それは、一体どういうことなのか。今回は、そのプロセスを少し具体的に紐解きながらご紹介していきます。

まずは「暮らし」のヒアリングから

 最初のお打ち合わせで行うのは、お施主様が「どんな暮らしをしたいか」というヒアリングです。

 私たちのお客様は、築数十年のマンションをリノベーションされる方が多いのですが、昔の家は、食べて寝て生活ができればいい、乱暴な言い方をすると「屋根のついた箱さえあればいい」というような間取りが主流でした。キッチンとダイニングと和室の2DKのような設計です。

 しかし、それは今の時代にフィットしません。今は、多くの方が「暮らしそのものを大切にしたい」と考えているからです。古いマンションの既存の間取りを、お施主様の大事にしたい時間に合わせて再設計する。それが私たちの仕事の出発点です。

 テーマは人それぞれです。

・リビングダイニングを居心地のよい空間にしたい
・ペットと暮らしやすい家にしたい
・1人でのんびり過ごしたい
・人を呼んでパーティーをしたい

まずはその「暮らしの核」を一緒に見つけます。

Before / After 既存の2DKを、生活動線を整理した1LDKへ再構成

Before / After 既存の2DKを、生活動線を整理した1LDKへ再構成

間取りの再構築 ―暮らしを想像しながら―

 こちらの図面は、ある一人暮らしの女性のお住まいのもの。「リビングダイニングを居心地よくしたい、たまには人を呼びたい」というご希望でした。

 大きな変化は、ダイニングと隣接する和室をつなげ、広めのLDKへと再構成した点。ぱっと見、わかりにくいかもしれませんが、他にも細かな変更を多数加えています。

 リノベーション前の図面では、キッチンの冷蔵庫の位置が不自然で、作業台との間に人一人分くらいの中途半端な隙間が生まれていました。そこに立った時の動きや視線は、あまり心地よいものではありません。そこで、冷蔵庫置き場は背面へ移動しました。

 そしてキッチンは、Ⅱ型に。リビングや外の風景を眺めながら、料理する。お茶を淹れる。友人と会話をする。冷蔵庫をどこに置くかは、単なる配置の問題ではありません。「そこでどんな時間が流れるか」を想像しながら、間取りをプランニングしています。

 意外に思われるかもしれませんが、居心地のいいリビングには「壁」も重要なポイントになります。壁があることで、お気に入りの家具やアート、植物などを自由に配置できるからです。そして、空間に余白とリズムが生まれ、落ち着きがもたらされます。

 そこで、もともと和室側に開いていた収納を寝室側から開けられるように変更。リビングの壁面を確保しました。

 このように、収納も間取りに大きく関わってくる分野なので、同時並行で収納の希望も聞いていきます。

 この物件では、玄関収納を大幅に増やしました。靴だけでなく、季節家電や防災グッズ、アウトドア用品など、「いつもは使わないけど、確実に必要なもの」を収められるスペースに。傘をかけやすいアイアンバーも設置しました。

 実はこの分野は、日々家事と育児に奮闘している藤澤の得意分野。リアルな生活感覚があるからこそ、図面上の理想を、実際の使い勝手までに落とし込むことができます。収納は、暮らしのストレスを減らす設計。生活の質を担保する欠かせないポイントです。

素材とパーツ選び ―心地よさとメンテナンス性の両立―

 間取りが決まったら、床材や壁などの素材提案を行います。

・フローリングやタイルなどの床材
・クロスや漆喰などの壁
・水回りの天板や蛇口、タオル掛け…

 お施主様のお好きそうな見た目であることだけでなく、掃除のしやすさや経年変化、メンテナンス性まで含めて、メリット・デメリットを丁寧に説明します。

 照明やコンセントの位置も重要です。まずは使いやすい配置を提案し、その後、お施主様と一緒に調整していきます。「こんなデザインの照明がほしい」というご希望があれば、手配・取り付けまで対応します。家具も同様です。

 このような細かなパーツに至るまで、たくさんの提案をさせていただきます。私たちの打ち合わせのコンセプトは「徹底的に説明すること」。そして、最後に納得して、選択するのはお施主様。毎日目に入り、手に触れるものは、お施主様の心を動かすものがいい。それが、満足度の高い暮らしにつながっていくと考えています。

私たちの強みは「二人三脚の無駄のないダブルチェック」

 打ち合わせには、必ず2人で同席するようにしています。そのため細かな温度感を見逃すことはありません。実は、「建築士・インテリアデザイナー・現場監督を兼ねた2人が最初から最後まで一緒に走り続ける」というのは、結構珍しいことなんです。

 他のハウスメーカーさんなどでは、建築士・インテリアデザイナー・現場監督が分業されていることが多く、役割も分かれています。この分業制ではそれぞれの視点が分かれるのは当然です。例えば、現場監督は、図面通りにできているかどうかをチェックすることだけを求められます。

 でも、私たちは、すべて2人で担います。そのため、図面上では問題なくても、現場で見ると違和感があることにもすぐに気づけます。

・棚の高さが照明を遮ってしまう
・女性のお施主様には棚位置が高すぎる 

など、そうした違和感を、その場ですぐに修正することができるのです。

 また、1人が意匠的なご要望をまず図面に落とし、もう1人が施工の目でチェックするという、ダブルチェック体制も強みです。

・配管ルートや給排水ルートがおかしくないか
・コストに無理や無駄はないか
・材料を過剰に使っていないか

 理想の画を描いた上で、もう1人が現実的なラインに落とし込んでいく。一見無駄な工程に見えるかもしれませんが、最初から「無難な現実」で考えてしまうと、ワクワクする設計やデザインは生まれません。そして、このダブルチェック体制があるからこそ、意匠的な部分を優先しすぎて、後から「できませんでした」「追加費用がかかります」といった事態も防ぐことができます。

 以上のような流れで、進めていくのが私たちの基本スタイル。私たちの設計とデザインのプロセスを、少しでも具体的に思い描いていただけましたでしょうか。細かな進行の流れについてはこちらの記事にまとまっています。こちらも併せてご覧いただければ幸いです。