できあがったのは「天空の城」
開放的な間取りが叶えた理想の住まい
できあがったのは「天空の城」
開放的な間取りが叶えた理想の住まい
京都⽬⿊区/マンション/約 87 ㎡
ハイセンスな⼈々が集まる都⼼の中⼼部。利便性が⾼いこの町に、少し変わったかたちのヴィンテージマンションを⾒つけた N さんご夫婦。個性的なその部屋にリノベーションを加え、さらに独⾃性を持たせた唯⼀無⼆の空間をつくりました
家族構成:夫婦(40 代)築年数:27 年(購⼊時)
主なリノベーション:リビングダイニング、⽔回り
打ち合わせ期間:約2.5カ⽉ ⼯期:約 3カ⽉
縦⻑の“抜け”をつくって圧迫感を解消
なぜ、この町に住もうと思ったのですか?
Nさん:それまで隣町に住んでいて⼟地勘があったのと、どちらの職場にもアクセスが良いので、この町に決めました。⼈気のある町なので、いざ売却しようと思っても資産価値が落ちないであろうというのも決め⼿の⼀つでした。
もともとリノベーションをしようと思って、物件を探していたのでしょうか?
Nさん:そういうわけではなかったのですが、この辺りでリノベーション済みの中古物件をいくつ⾒ても、気に⼊るものがなくて。それなら⾃分たちでリノベーションをしてしまおう、ということになったんです。
リノベーションで「絶対にここは変えたい」と思っていた部分はどこだったのですか?
Nさん: 古いマンションなので、天井⾼が低い点が気になっていたんです。そこで、リビングを広くとることで、圧迫感を感じないようにしたかったのが⼀番です。そのため、2 LDK だった間取りを縦⻑の1LDK にし、アトリエ(作業スペース)との間の壁も極⼒存在感を無くしました。アトリエとダイニングをゾーニングしつつも、開放的に⾒えるちょうど良い塩梅で設計してくださったと思います。
窓が多く、見晴らしのよい部屋なので、部屋のすべてが空まで一続きにつながっているようになりました。まるで部屋が空中に浮遊しているようで、とても気に入っています。
あとは、パウダールームにあったトイレを独⽴させたかったのと、服が好きなのでウォークインクローゼットを⼤きなものにしたいという 3 点は必須でした。
今回リノベーションした部分で⼀番のお気に⼊りの場所はどこですか?
Nさん: フレンチへリンボーンのフローリングです。1LDK に変えるためには、床も全部張り替えなくてはいけなかったのですが、好みのデザインのものに変えられて部屋の印象が⼤きく変わりました。2 ⼈ともヨーロッパが好きで、旅⾏に⾏くたびにこのデザインの床をよく⾒かけていたので、ずっと気になっていたんです。
フローリングは、フレンチヘリンボーンに。⼭の向きを⼊り⼝からアトリエ側に向かうように配置することで、縦⻑の空間がより強調される視覚効果も。取材時は、おそろいの靴下で登場された N さんご夫婦。もともと趣味嗜好が似ていて、リノベーションを進める上でも意⾒の⾷い違いなどもなかったそう。
⼀⽬惚れしたホーロー製のキッチンは、メリットだらけ
そのほか、キッチンや洗⾯台などの⽔回りを丸ごと新しいものに変えたり、壁に飾り棚をつけたりとさまざまな部分を改修されていますが、予算があるなかで取捨選択に迷うことはありませんでしたか?
Nさん:もともとお⾵呂をホーロー製のものにしたくて、ショールームを訪ねたのですが、
⾼価で諦めました。でも、そこにあったホーロー製のキッチンに⼀⽬惚れしてしまって。リビングダイニングの中⼼に置くキッチンを気に⼊ったものにして、その分、お⾵呂は⼀般的なユニットバスにし、トイレを⾼価なタンクレスではなく、安価なタンク付きのものに変えるなどして調整しました。
ホーロー製のキッチンパネルは、マグネットがつくので便利。壁に⽳を開けずにキッチンの壁⼀⾯にマグネット収納ができ、汚れも取りやすいとメリットだらけ。「とにかく、ホーローのこの質感が気に⼊っています」(N さん)
暮らし⽅はどのように変わりましたか?
Nさん:友⼈を呼びやすくなったので、自宅で食事会をするようになりました。みんなが楽しんでくれている顔を⾒ると、リノベーションしてよかったなあと思います。あと、遊び来た⼈に「パリっぽい部屋だね」と⾔われることもあります。
意図したわけではなかったのですが、フレンチヘリンボーンのフローリングにしたり、⽩いホーローのキッチンを置いたり、壁の⾊も明るい⾊にしたりしたので、そう感じさせるのかもしれません。この家は、光がたくさん⼊るので、それを⽣かした空間にしたかったんです。そのため壁やキッチンなど、⾃然と明るい⾊を選んでいたように思います。
最初の提案で先が⾒通せたことは、⼤きな安⼼につながった
リノベーションを Co-DESIGN OFFICE に依頼しようと思った理由は?
Nさん:3社のなかから検討したのですが、1 回⽬の打ち合わせを終えて、Co-DESIGN OFFICE さんに即決しました。どこの会社も⾒積もりは概算でしか出してくれなかったのですが、Co-DESIGN OFFICE さんだけ 1 回⽬からとても緻密な⾒積もりを出してくださったんです。その⾒積もり書と提案書を⾒るだけで、完成までの⾒通しが⽴ちました。まだお願いすることが決まっているわけでもないのに、最初からここまで⽤意してくださったことに誠実さも感じましたし、安⼼してお任せできると思ったんです。
リノベーションを進める上で不安だったこと、困難だったことはありましたか?
Nさん: 初めてリノベーションというものに取り組んだので、やってみないとわからないことだらけで、その点は不安でした。でも、デメリットやリスクがある場合は、Co-DESIGN OFFICE さんが事前にきちんと丁寧に説明してくださったので、進めているうちに不安は解消されていきました。それでも不安が残る場合は、さまざまなパターンの別の提案をしてくださることもあり、そのなかで納得していくという経緯もありました。
住んでみてからのアフターフォローはどうですか?
Nさん:⽇当たりがいい点が気に⼊って購⼊に⾄ったというのもあるのですが、初めての夏を過ごしてみたら、ものすごく暑くて(笑)。後⽇、たまたま Co-DESIGN OFFICE さんとお話する機会があって、その時に軽く相談したんです。すると、「冷房の効きを良くするために⼆重窓にしてみては? 補助⾦も下りますよ」と提案してくださって。そもそも⼆重窓にするという発想もなかったですし、補助⾦が下りるなんてことも知らなかったので、相談してよかったですね。すぐに追加で施⼯してもらい、おかげで 4年⽬の夏は快適に過ごせました。
リノベーションは、スムーズに効率よく進めることを重視
最後に、これからリノベーションしようと思っている⼈に、アドバイスがあればお願 いします。
Nさん:私たちは、⼤満⾜のリノベーションになったのであまり失敗ポイントのようなものが思いつかないのですが……、ポイントはリノベーション会社選びでしょうか。
納期の件でもめたという友人の話も聞いたことがあるので、リノベーションをするにあたって、自分たちが大切にしていること、優先したいことを大事にしてくれる会社を選ぶことが成功の近道かな、と思います。
私たちの場合、打ち合わせは3〜4 回くらいで済み、引き渡しまで半年もかかりませんでした。最初からスケジュールをスパスパっと切っていただいていたので、本当にノンストレスでした。最初に緻密に作り込まれた⾒積もり書や提案書を持ってきてくださったので、それをベースに取捨選択して反映していくだけでしたし。
リノベーション会社との相性は⼈それぞれだと思いますが、そこをきちんと⾒極めるのは
⼤きなポイントかなと思います。
取材・文/磯部麻衣 写真/影山優樹、⿊坂明美