「素足で過ごしても心地よい」自然を感じられる家

「素足で過ごしても心地よい」
自然を感じられる家

東京都中央区/マンション/約70㎡

東京駅からほど近く、都会的な雰囲気がありながらも伝統の香りが色濃く残る由緒正しき町。Iさんご夫婦は、この地で1980年に生まれたヴィンテージマンションの一室を購入しました。購入時にはすでにフルリノベーション済みでしたが、リビングキッチン部分は「自分たちらしい空間にしたい」と更なるリノベーションを決意。“自分たちらしさ”を求め、どのようにリノベーションを進めていったのか、話を聞きました。

家族構成:夫婦(30代)
築年数:39年(購入時)
主なリノベーション:キッチン、フローリング
打ち合わせ期間:約2カ月 工期:約1カ月

潜在的に持っていた要望を引き出してくれた

Co-DESIGN OFFICEに依頼したきっかけを教えてください。

Iさん:不動産仲介会社から紹介されたのがきっかけでした。初めてCo-DESIGN OFFICEさんのオフィスを訪ねたとき、室内の雰囲気が自分たちにぴったりとマッチしていて「すてきだな」と思ったのをよく覚えています。私たちは木目の家具や天然の素材を使用した空間が好みなので、感覚的なものも近そうだとも感じました。

顔合わせでは、Co-DESIGN OFFICEのお二人、斎藤さんと藤澤さんがとても丁寧にヒアリングしてくださって、さらにお二人が醸し出す穏やかな空気感にほっとし、安心して任せられると思いました。結果、自分たちが叶えたい理想をたくさん詰め込んだ「希望を叶える家づくり」に、最後まで寄り添ってくださったんです。

もともとなかったキッチンカウンターとウォールキャビネットを増設。LDK部分のフローリングも好みの木材を選び、上貼工法を採用した。照明も全体の雰囲気に合うように交換。ブラックのライティングレールをセレクトし、ウッドテイストの空間に引き締め効果を加えた。

リノベーションをするにあたって、大事にしていたことや絶対に譲れなかったポイントはありましたか?

Iさん:納得いくデザインのキッチンカウンターをつくることと、天然の素材を感じられるような家にしたいということでした。あとは質の良いものを取り入れること。その点は、夫婦ともに無意識下で持っていたものなのですが、Co-DESIGN OFFICEさんが、私たち夫婦は「上質なものを求めている」ということを察してくださったんです。

キッチンカウンターを作るときには、その点を考慮して上質なキッチンをカスタムメイドで作ってくれるCUCINA(クチーナ)さんを提案してくださいました。天板の素材も多種から選べ、カウンターの高さも1mm単位で変えられるなど、オーダーメイドできるというのがとても魅力的でした。

カウンターの高さは、自分たちの身長に合わせつつ、でもカウンターの向こう側のシンクを目隠しできる高さを、Co-DESIGN OFFICEさんが緻密に計算してくださいました。ナチュラルな雰囲気を出すため、側面はフローリングと同じ木材を貼り伸ばしたデザインにしてもらいました。

1日のほとんどをリビングで過ごすように

今回リノベーションした部分で一番のお気に入りの場所はどこですか?

Iさん:本当にすべて⼤満⾜で、どれか 1 つ選ぶというのが難しいのですが、やはりキッチンカウンターのデザインでしょうか。フローリングからキッチンカウンターの側⾯に⽊ ⽬がつながるように配置されていて、部屋も広く⾒えますし、このデザインが本当にお気に⼊りなんです。

フローリングを変えたかった理由は?

Iさん:もともとのフローリングも嫌いではなかったのですが、私たちは天然木の質感が好きで、裸足で歩いても気持ちがいいフロアにしたかったんです。特にこのマンションは、周りに高い建物が建っていないので、一日中明るい日差しが入ります。上質な木材に囲まれて素足で気持ちよく過ごせる明るい部屋は、とても気持ちがいいですね。今は、2人とも1日の大部分の時間を、このリビングスペースで過ごしています。

増設したキッチンカウンターとウォールキャビネット

リノベーションをする上で不安だったこと、困難だったことはありましたか?

Iさん:特にはなかったのですが、やはり予算との兼ね合い、取捨選択で迷うことはありました。でも、その都度、Co-DESIGN OFFICEさんが本当に最適な提案をしてくださるんです。フローリングも一度剥がして張り替えるとなると、予算も工期もかかるということで「既存のフローリングの上に、新しいものを張るだけにしましょう。その分、カウンターキッチンに予算を割きましょう」と提案してくださいました。

あとは、やはり素人だと思いもよらないようなこと、例えば、このタイミングで照明も変えたほうが全体的により素敵な空間になると提案してくださったり、ブレーカーが落ちないような電気配線にも気を配っていただいたり。見た目の美しさだけでなく実用性も考えて提案してくださるのは、本当にありがたかったです。

ホームパーティーを開くと、友人が長居するように

暮らし方はどのように変わりましたか?

Iさん:家に人を呼ぶ機会が増えました。友人たちを招待し、ホームパーティーを開くといったとても楽しい時間を過ごしています。普段は時間にきっちりしていて、今までは遠慮して早々に帰宅していた友人が、「居心地が良くて帰りたくない」と長居するようになってしまいました(笑)。

あとは、マンション管理組合の理事長を務めるようになったことでしょうか。私たちは、このマンションごとすごく気に入っていて、ご近所付き合いも良好なんです。マンションにお住まいのみなさんとは、会えば気持ちよく挨拶し合い、お隣さんにお裾分けをいただくことも。なので、入居1年目で理事会の役員になり、3年目には理事長にまで出世してしまいました(笑)。マンションの防災設備を整えたり、新たにAEDを設置したり非常にやりがいを感じています。

今後、この家とどのように付き合っていきたいですか?

Iさん:もしかしたらここが終の住処になるかもしれないし、今後ライフスタイルが変わったら住み替える可能性もあります。でも、今は気持ちのいいリビングで日々過ごし、たまに友人を呼んで、ご近所付き合いも楽しくて大満足しているので、しばらくは今の状態を楽しんでいきたいと思っています。

もし、追加でリノベーションするとしたら、夫婦2人とも自宅で仕事をすることが多いので、仕事スペースを新たにつくってもよいかなと考えています。

最後に、これからリノベーションしようと思っている人に、アドバイスがあればお願いします。

Iさん:何度も言ってしまいますけど(笑)、本当に大満足で、それはCo-DESIGN OFFICEさんのおかげなのですが、その中でも私たちができたことといえば、きちんとイメージを共有できたことでしょうか。できるだけ多くイメージ写真を用意して、素人ながら間取りのイメージやインテリアのイメージのラフや絵を手描きで描いて共有しました。

また、Co-DESIGN OFFICEさんとの打ち合わせ前に、夫婦間でもきちんと方向性やイメージをすり合わせていたのも良かったのかもしれません。同居する家族やパートナーと意見が割れてしまっていたら、施工会社さんも困ってしまいますよね。

自分たちの特徴をしっかりつかんでもらって、Co-DESIGN OFFICEさんが持っていらっしゃる膨大な知識の中から的確な提案をしてくださったから、満足のいく仕上がりになったんだと思っています。

取材・文/磯部麻衣  写真/影山優樹